活動履歴

ソーシャルシネマ・ダイアログ「ディヴィッドとギリアン~響きあうふたり」(2020年1月11日)

2020年01月18日 21時13分

 社会性の高い映画を鑑賞した後で、その映画について話し合うソーシャルシネマ・ダイアログ「ディヴィッドとギリアン~響きあうふたり」が1月11日、宇治市生涯学習センターで開かれました。100人を超える市民らが集まり、心の健康や幸福について真剣に話し合いました。
 京都にゆかりのある企業のCSR担当者らが集まり、地域力の向上を目指す「京都CSRネットワーク」が主催。宇治市が共催し、宇治市健康づくり食育アライアンスとアライアンスメンバーのNPO法人「ちはやぶる宇治の未来をつくる会」が運営にあたりました。同アライアンスの第1回市民会議で出たアイデアを基に実現した企画で、アライアンスの今年度の大きな催しと1となっています。
 会場では、アライアンスの日野真代代表が「映画の感動を話し合い、どうしたら宇治市がもっとよくなるか考えましょう」。また、宇治市健康長寿部の藤田佳也部長が「豊かさってなんだろう、幸せってなんだろうということをみんなで考えるきっかけになれば」などとあいさつ。その後、約100分のドキュメンタリー映画を鑑賞しました。
 映画の主人公は、オーストラリア出身でかつて天才ピアニストとうたわれたディヴィッド・ヘルフゴット。1966年にアカデミー賞を取った「シャイン」のモデルとなった人物です。精神を患い11年の施設での闘病生活の後、奇跡の復活をとげました。制作チームは、ディヴィッドとシュトゥットガルト交響楽団とのヨーロッパツアーに同行。彼の復活を支える妻のギリアンとの関係を中心に、彼の音楽にあふれ喜びに満ちた生活ぶりや妻や周囲の人たちの反応などを描いています。
 この後、京都造形芸術大学客員教授の谷崎テトラさんをファシリテーターにダイアログ。参加者たちは3~4人のグループを作って、まず映画の感想について話し合い、さらに「幸せとは何か」というテーマで話し合いました。
 参加者たちは、自らが障害を持つ人と接したときの経験などをもとにそれぞれの意見を出し合いました。「病気と正常の境はあやふや、周囲の人が決めるのは間違い」「自然な形が生きていくのが一番」「近所同士で声をかけあうなど、地域のきずなが誰もが安心してすごせる社会につながる」などの意見に、谷崎さんも「それは素晴らしい視点です」などと、感心したようにうなずいていました。
 谷崎さんは「宇治のみなさんは意識が高く、とても有意義な話し合いができたと思います。幸せは伝染するもの。今回の催しをきっかけに、多くの人が幸せとは何かについて考え、周囲の人たちと話し合うことで幸せが広がっていけばいいと感じました」と話していました。