営農クラブ 槇の島

代表者 岡田 豊一
所在地 京都府宇治市槇島町郡34-1(古島一博方)
連絡先 0774-22-1592
Email kazuhiro.kojima@terra-united.co.jp
HPアドレス  
活動内容 食育に関すること / その他
業  態 その他
地域の有志農家をメンバーとし、農業の活性化、構成員の営農、栽培技術の向上を目指す。またその活動を通じて地域の環境(主として農地とその関連環境)を保全すること、地域振興活動を行う。

Interview

 

【団体紹介】

 まるでネイティブアメリカンの長老と話しているような気がしました。

 営農クラブ「槇の島」会長の岡田豊一さん(69)は、古くから槇島で農業を営んでいます。農業を取り巻く環境は年々きびしくなるばかり、このままでは次世代に引き継げないと一念発起し、2019 年4月に宇治上神社の氏子という地縁でたちあげたのが営農クラブ「槇の島」です。集落のみんなで助け合う集落営農組織として法人化を目指しています。

 なぜ「槇の島」と「の」がはいるのかを問うと、「槇島小学校」の校歌に「♪古き史にも名を得たる宇治の川辺の槇の島♪」と歌われているからとのこと。そうしたことからも地域への強い愛情を感じます。

 岡田さんは高校の教職免許を持っていて、子ども達の教育についても熱い思いを語ります。「宇治上神社の氏子としてこの地域に誇りを持ち、農業を通じて生かされていることを知ってもらいたい」という思いから、今年は、初めて近所の子ども達と一緒に田植えをし、刈り取った新米を宇治上神社に奉納する新嘗祭を行いました。新嘗祭には10人の子どもたちを含む30人が参加しました。子どもたちだけでなく、保護者の人たちも拝殿にあがるのは初めてで、貴重な経験ができ地域に対する誇りを感じられたとのことでした。

 子どものとき、おじいちゃん子だった岡田さん。いつもおじいさんについて回り、おじいさんの働く姿を見て仕事を覚えました。そのころは半農半漁の生活で、早朝は前夜に仕掛けたはえ縄をあげに宇治川へ。朝靄に包まれた宇治川は神秘的で、やがて陽が昇ると宇治橋が金色に輝いて神々しい景色だったそうです。半夏生の頃は田んぼ一面にセリが生え、炎天の下、ヒルや田蜂に刺されながらの草引き。それでも水田に映る青空や、夜になれば水面に映える月に心を動かされました。秋には、田んぼ一面に金色に染まる稲穂が風にそよいでいました。今でも「そんな景色を見ると、この仕事が好きやねんと思う」と感慨深げに話します。「いつかは、お田植え祭や夏祭りもやってみたい」と、岡田さんの夢はふくらみます。

 祈りのある農業。農業の未来を垣間見たような気がしました。

 

【対談 営農クラブ「槙ノ島」×FMうじ 】

営農クラブ「槇の島」会長 岡田豊一さん
FMうじ 局次長 北川隆平さん・パーソナリティー 浦田由美さん
司会 NPO法人ちはやぶる宇治の未来をつくる会 森田誠二

左 岡田さん 真ん中 浦田さん 右 北川さん

司会) こんにちは。岡田さんと浦田さんのお二人は以前からお知り合いだったんですね。
岡田) そうなんです。槇島には昔から2つの村があって、私が上村。
浦田) 私は下村で子ども会の会長をやっています。
岡田) その関係で、今年から始めた田植えや稲刈りにもお子さんたちと一緒に来てもらっています。
司会)  岡田さんは昔から槇島にお住まいですが、浦田さんは?
浦田) 私はもともと兵庫県の出身なんですが、結婚して、こちらに来ました。決め手はコンビニが近くにないことでした(笑)。ほんとに広々しているでしょう。こんなところで子どもを育てたいと思っていました。小学校も中学校も家から近いですしね。
司会) JR宇治駅からも近いし、町なかで、こんな景色が広がっているところってあまりないですよね。
岡田) 田んぼや畑はいいですよ。四季折々の美しさがあるし、1日のうちでも景色は変わる。月も綺麗に見えるしね。
浦田) うちの子どもたちも月には敏感ですね。こないだの満月の時も「デカっ」って言ってました(笑)。
北川) 子どもの時から、月のリズム、宇宙のリズムを感じることは大事ですね。環境意識を高めるだけではなく、日本の文化や伝統、お祭りなんかも月のリズムで行われていますよね。
司会) そういえば、この地域は世界遺産の宇治上神社の氏子さんなんですよね。
岡田) そうなんです。今は宇治川を挟んでいるので不思議だと思われていますが、昔の宇治川の流れは違ってましたからね。今年は令和元年ということで初めて新嘗祭をやりました。子供たちも一緒に自分たちで田植えしたお米を宇治上神社に奉納しました。御祭神の菟道稚郎子さまは日本で最初に儒教や漢字を学んだ知恵の神様でもあるので子どもたちに学業成就のお守りを頂きました。拝殿に上がらせてもらうのは父兄の方も初めてということで感激されていました。
浦田) 私たちは普段着だったんですが、上町の人たちは正装されていたんで「どないしょー」と思いました(笑)。
岡田) 地域の歴史を知ることは、地域に対する誇りと愛情を育てます。今後も子どもたちと一緒に田植えや新嘗祭を続けていきます。
北川) 私たちもメディアとして地域の魅力を伝えていきたいと思います。そして、さらに
まだ知られていない魅力を探し出し価値創造にも取り組みたいと思います。宇治は本当に魅力に満ちた町ですから。
司会) 今日はありがとうございました。

 

【2020年度インタビュー】

―――-今年度は、どのような活動や事業などをされていますか?
 現在、営農クラブとしてはコロナウィルスの関係もあり外部に対する活動を休止しています。営農クラブに所属しています農家は、いろいろな作物を周年栽培しており、出荷先も広がって来て、従来の南部市場やJAやましろの他、八幡の道の駅、また、東京へ京野菜としての出荷等を行っており、お陰様で好評を得ています。そのため農作業が多忙を極めており、なかなか他の活動に参加できない状況です。

 本来、営農クラブの設立の目的は、遊休農地の活用でした。現在は、一定の成果もあり、それらの農地を借用して農作物を栽培しています。栽培面積も増えています。
また、今後の温暖化や、気候変動に対応するために、小型の植物工場の開発等を昨年より始めています。

―――-今後、なさりたい活動や事業等は何ですか?
当面は、現在取り組んでいます内容を継続して進めていく予定です。

―――今後、健康づくり・食育アライアンスで取り組みたいことや、期待することは何ですか?
現状では、新たに取り組みたい内容は時間的に難しいですが、何かご要望などございましたらお知らせください。よろしくお願いいたします。