代表者 | 湯本 恭子 |
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所在地 | 宇治市神明石塚54-18 おかもとクリニック地下1階 |
連絡先 | 0774-46-1711 |
HPアドレス | http://www.okamoto-hp.or.jp/oka2/ |
活動内容 | 運動・身体活動 / 喫煙 / 飲酒 / 健康行動 / 栄養・食生活 / 普及啓発活動 / 食育に関すること |
業 態 | 医療機関 |
【団体紹介】
健康長寿日本一を目指す宇治市は、「適塩」の活動を進めています。京都岡本記念病院・腎臓内科副部長の劉和幸先生は、宇治市の「適塩アドバイザー」も務め、ライフワークとして適塩の啓発に取り組んでいます。「適塩という言葉を使っていますが、塩分だけのことじゃない。本当に伝えたいのは命の大切さ、健康の大切さということです」。
病院で透析治療を余儀なくされた患者さんを数多く診る中で、「高齢になっても健康に過ごすには、若いころから食生活や生活習慣を注意しておくことが大事」と、予防の大切さに気付いたそうです。ちょうど宇治市が「適塩」の活動を始めるタイミングと重なり、その趣旨に感銘を受けて小学校などに授業に行ったり、適塩をPRする冊子を監修するなど協力することになりました。
「適塩ものがたり」という冊子は、適切に塩分を摂ることの大切さや普段の暮らしの中でどのようなことに気をつけたらよいかを、自分自身もドクターRyuとして登場し、分かりやすく紹介しています。
劉先生によると、日本食に含まれる塩分は高く、日本人は高血圧の人も多い。また、加工食品には思いのほか塩分が含まれていて、何と1年で4㎏近い塩分を摂ってしまうこともあるそうです。塩分は摂りすぎると高血圧になり、腎臓病や脳卒中、心筋梗塞などの病気の原因になります。
「減塩というと味が薄くおいしくないというマイナスイメージですが、味覚が鋭敏になるし、本来の食材の味も分かって食育にもつながるのかなと思います。病気の予防だけじゃなく、味覚を鍛えて楽しくおいしく食事もできる」と、劉先生。
一方、体から塩分を追い出すことも適塩の一環です。カリウムが多く含まれる野菜や果物をしっかり食べることで腎臓がナトリウムを排出しやすくなり、運動すると汗としてナトリウムを排出することができます。
「あんまりプレッシャーを感じながら生活すると続かないので、できることから始めてもらったらいいかなと思います。何より継続することが一番難しい。街を歩いていても適塩を意識できるような街づくりができたらいいですね」と、劉先生は国レベルでの取組みも必要だと話します。
「あらゆる世代に意識してもらう機会があることが大切なので、発信し続けないといけないなと。人生の節目節目で『適塩のおっちゃんに会ったわ』みたいな感じで言ってもらえたらいいですね」と、笑顔で話す劉先生。先生のお話を伺って、私自身も家族が健康で長生きできるように、できることを一つずつでもやってみようと思いました。
【活動紹介】
保育園の保護者らを対象とした「適塩講演会」が1月18日、宇治市兎道の「みんなのき三室戸こども園」で開かれました。園児の保護者を中心に約50人が参加し、京都岡本記念病院の劉和幸先生の講演に熱心に耳を傾けました。
この講演会は、2019年8月に開催された宇治市健康づくり食育アライアンスの第1回市民会議がきっかけで実現した企画。ワークショップで劉先生と宇治市民間保育連盟の田中みゆき先生が同じグループになり、保育園での適塩講演会を実施するアイデアが出たといいます。
講演会は「子どもから高齢者まですべての世代に伝えたい塩分の取り方」というサブタイトルで開催。同月11日には「みんなの木黄檗こども園」でも開かれており、今回で2回目です。
劉先生は、日本人は腎臓が比較的小さく腎臓病のリスクが高いことや塩分を取りすぎていることなどを説明した後、宇治市を中心とする山城北地域が、京都府内で一番塩分摂取量が多いという調査結果を紹介。「塩分の取りすぎは高圧や胃がん、尿路結石、心疾患などさまざまな病気の原因となりうる」と警鐘を鳴らしました。
また、子どもの頃の塩分の取りすぎが将来の大きな疾患につながる場合もあるとして、「園児の保護者の世代が一家の食習慣を決める場合が多く、影響力は大きい。適塩の生活習慣をお年寄りたち上の世代、子どもたち下の世代に伝えてほしい」と呼びかけました。
劉先生はこれまでも、小中学校の子どもたちを対象とした適塩教室を開くなど、いろいろな世代に向けて塩分の取りすぎへの注意喚起を行ってきましたが、園児の保護者を対象とした適塩講演会は初めて。
「あらゆる世代の人に適塩生活の大切さを知ってもらうのが目的で、今回はいい勉強をさせてもらったと感じています。保護者の方々の感想なども今後の参考にしていきたい。こうした場所を与えていただけるのなら、またお話をしたいですね」と話していました。
【2020年度インタビュー】
―――今年度、貴法人ではどのような活動をされていますか?
地域の基幹病院として急性期医療の提供、健診事業を通じて疾患の早期発見に努めています。
新型コロナウイルス感染症に関しては、重点医療機関として接触者外来や陽性者の重症患者の受け入れなどを行っています。
―――来年度貴法人でされたい事業は何ですか?
今年度同様に地域の住民に対して、安心で安全な医療の提供をしていきます。
新型コロナウイルス感染症に関しては、引き続き院内クラスター予防に努めながら、地域の医療が逼迫しないように心がけていきます。
―――来年度の健康づくり・食育アライアンスで取り組みたいことや、期待することは何ですか?
新型コロナウイルスの感染が落ち着いたら、いろんな分野の企業や事業者とともに、新しい企画などに参画していきたいです。