河井ファーム

代表者 河井 孝光
所在地 宇治市五ヶ庄芝ノ東60-5
連絡先 090-5012-0969
Email t.kawaifarm@gmail.com
HPアドレス  
活動内容 普及啓発活動 / 食育に関すること
業  態 民間企業
河井ファームは、宇治で栽培期間中農薬不使用の野菜を育て、野菜ジェラートの販売やマルシェ運営を通じて地域を盛り上げています。会社員をしながら農業を行う半農半Xの生き方で、農業の魅力を多くの人に伝えます。

Interview

 

【団体紹介】

「河井ファーム」さんは、宇治市小倉町で農薬・化学肥料を使わず少量多品目の野菜を育てる農家さんです。取材に訪れた日(2024年9月)に育てておられた野菜は、「空心菜」「モロヘイヤ」「丸オクラ」「冬至かぼちゃ」「にんじん」「ほうれん草」「インゲン」「里芋」でした。

 

 

 

 

 

 

 

農業というと何年も前から代々続いている…といったイメージでしたが、実は河井孝光さんが農業を始められたのは2022年6月のこと。ご実家が農業をされていたというわけでもありません。現在、会社員と農家という2つのお仕事に取り組まれています。

【活動紹介】

ーー河井さんが農業を始めようと思われたきっかけは何ですか?

以前は携帯会社で10年間働いていました。最初は販売スタッフからスタートし、店長、エリアマネジャーと、さまざまな職務を経験させてもらいました。しかし、その仕事は、携帯電話の販売部分に特化した職業です。商品を企画、製造し、販売するという一連の仕事をすべて担うサプライチェーンに関わるような仕事がしたいと考えるようになったんです。

そうした思いで転職活動を行ううちに、自分の今の思いをかなえるには、農業が一番適しているのではと考えるようになりました。そこで農業関連の企業への就職を検討しましたが、それは近道のようにみえて、「サプライチェーンに関わるような仕事」という自分の希望とは少しずれてしまうかもと思ったんです。そのため、最終的に「自ら農業を行おう」と決心しました。

ーー現在、農家と会社員として活動されているそうですが、ご苦労も多いですよね?

素人がいちから農業に携わるということで、いろいろと勉強しました。

平日は会社員として働くので、専業の方のように農地をフル活用して作物を育てることは、正直できません。兼業のスタイルでも作ることが可能で、かつ安心して食べられる野菜を育てたいと考え、栽培期間中の農薬不使用にこだわっています。2年の間で50種類以上を栽培し、その中でより、このスタイルに適した野菜は何かを考えながら、現在取り組んでいるところです。

ーー河井ファームさんのお野菜は、どこで購入できますか?

「河井ファーム」や「坂ノ途中」のオンラインショップで購入いただくことができます。「坂ノ途中」さんは、農薬や化学肥料に大きく依存した農業をやめ、環境への負担の小さな農業を広げようという思いで活動されている会社です。
マルシェや、八幡にある旬の駅でも販売しています。2024年7月からは、富野荘に無人の「農家の直売所」をオープンし、そこでも販売を始めました。同じく兼業農家として活動しているメンバーと3人で「TRIGGER FARM(トリガーファーム)」というユニットを結成し、そのメンバーで始めました。

ーー農業を始められて2年、これからの目標はなんですか?

農業を始めるにあたり、たてた目標は、「10年後、宇治市に道の駅を作ること」です。

宇治市は、香り高い茶葉が育つ気候で、農地として適した土壌もあります。ただ「作った野菜を身近に販売できる場所」が、少ないんです。道の駅があれば、生産者はそこで売ることができるし、地元の方も地元の野菜を好きなときに買うことができるようになります。地産地消にもつながりますし、地域社会にとっても有効な方法ではないかと思っています。

すでに2年たってしまったので残り8年。現在はマルシェの出店などでノウハウを勉強しているところですが、ぜひ実現させたいと考えています。

ーー「宇治市健康づくり・食育アライアンス U-CHA」の団体として、どのような活動を考えておられますか?

農薬や化学肥料を使わずに野菜を育てているので、安心安全な食を提供する「食育」という視点でお伝えできることはあるんじゃないかと思います。令和7年2月15日の「うーちゃ学校」には、講師として参加することになりましたので、GOENさんや京都信用金庫さんと一緒に、しっかり努めたいと思います。

また、健康や食育を広い視点で考えると、農業は重要な役割を果たしていると思います。一方で日本の農業は、農家の高齢化や、耕作放棄地の増加など多くの課題を抱えています。私自身、30歳を過ぎてから何の知識もなく農業の世界に入ったことで、さまざまな経験をしました。耕作放棄地がたくさんあり、農家の担い手がいないといわれますが、私のように「農業をやってみたい」という人は確実にいます。

ただ、今の日本では、農業への新規参入は難しいのが現状です。農業に携わりたいと思ったら、高校や大学で農業を学ぶところからスタートするのが一般的。農地を借りることすら、新規参入者には大きなハードルがたちはだかります。それを経験した私だからこそ、伝えられることがあると思います。子どもたちや若者が農業に興味をもってもらえるような活動も、行っていければと思います。