代表者 | 長田 啓助 |
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所在地 | 京都府宇治市宇治壱番26 |
連絡先 | 0774-22-2426 |
news@r-shinpo.co.jp | |
HPアドレス | |
活動内容 | 普及啓発活動 |
業 態 | 民間企業 |
【団体紹介】
「洛タイ新報」は宇治市、城陽市、京田辺市、久御山町、宇治田原町、井手町の山城地域3市3町をエリアとするローカル新聞です。1946年創業の「洛南タイムス」と1969年創業の「城南新報」が2018年10月に提携。統合紙「洛タイ新報」として、地域の政治、経済はもちろん、スポーツや文化、街の話題など、地域住民に密着したさまざまなニュースを提供しています。
「地域の活力をあげられるような紙面というのが我々の目標です。いきいきとした人を取り上げるなど地域のいい面も紹介しますが、地域住民の怒りをくみ上げるのも役割だと考えています」と話すのは、同社の代表取締役で編集長である長田啓助さん。
これまでも食育や健康づくりに関する記事は、地域住民の関心が高いテーマとして積極的に取り上げてきましたが、今後は宇治市健康づくり・食育アライアンスに関するニュースもどんどんと紹介していきたいといいます。
「ただし、行政の施策をただ紹介するだけではメディアの役割を果たしているとは言えないでしょう。食育に関しても、今のままでいいのかという問いかけは常に続けたい」と一言。
たとえば現在、宇治市での中学校給食の実施が話題となっていますが、「給食一つをとっても、ただ実施すればいいということではなく、正しい給食のあり方を問う必要があります。どういう状況でどんなものを食べているかということを知り、子どもたちがきちんと食べる時間があるのか? 食べてすぐに運動するのは身体に悪くないのか? など疑問点の提示はしていきたい」と話します。
さらに、歯みがきなど歯の健康への取り組みも、食育にかかわる重要なテーマとして関心を寄せているそうです。
「アライアンスに関しても、イベントなど活動の内容を市民にアピールすることはもちろんですが、活動内容をチェックして変えるべき部分は変えようという提言もしていきたい」と、メディアとしての役割を強調しました。
【対談】
「洛タイ新報」の長田啓助代表取締役と「ちはやぶる宇治の未来をつくる会」の森田誠二代表。アライアンスメンバーの中でも情報発信という特徴的な役割を担う2団体の代表に、地域における情報の伝え方をテーマに語り合ってもらいました。
――お二人とも宇治の出身ではないとお聞きしましたが、宇治にはどのような印象をお持ちですか?
森田 宇治は2000年からなんですよ。だから宇治はふるさとじゃないんです。娘は宇治で生まれたんで、宇治がふるさとになります。それで宇治の街をよくしたいと、会社を定年になってから街づくりの活動を始めたんです。
それで気づいたんですが、宇治の人って宇治のこと好きですよね、ものすごく。
長田 私も宇治に来てもうすぐ40年になるんですが、それまでは京都市内にいました。
森田 どうですか、宇治に来られて。私はそういう印象を持ってますが…
長田 そうですね。一般的にはみなさん中宇治のことを宇治と言いはるんで。地域によって雰囲気は違うかもしれませんが、東宇治の人は東宇治のことを好きですね。小倉の人は小倉のことが好きで。
森田 宇治の人が宇治のことを好きなのは、やっぱり歴史があるからなんでしょうか?
長田 中宇治の人は特にね。
――そういう中で地元紙さんの役割が非常に大きいと思うんですが
森田 そう、地元紙でしか手に入らない情報ってけっこうあるんですよ。
長田 まあネットに載らない情報ばっかりですからね。
森田 だから、ぼくも洛タイ新報さんを取らしてもらっているんですが…。地元紙がないと行政の情報も手に入らないし。なにより知り合いがよく出るんですよ、うれしいなあと思って(笑)。
長田 心がけているのはチェック機関としてありたいということ。たとえば、みなさんの税金がどのように使われているかとか。それがへんなところに使われていたり、無駄な二重行政になっているようでは具合が悪いかなあとは思うんです。そのあたりは私たちの本分として大切にしていきたい。
森田 そうですね。ぜひそういう情報も知りたいですね。これから縮小社会となる中で、人口も減っていくでしょうし、人と人との顔が見える関係が大切になってくる。そうした中で地方のメディアさんの役割ってますます重要になってくると思うんです。
――洛タイ新報さんには、子どものニュースもたくさん載っているように思いますが、意識されているんですか?
長田 どうしてもね。子どもさんのかわいい写真を載せていると紙面が明るくなって、読む人も多くなります。うち紙面に子供紹介というコーナーがあるんですが、それでもかなり反響があったりする。
森田 少年野球の結果も載ってますね。何とか杯とか、宇治にこんなにたくさん少年野球の大会があるんやと驚きます。
長田 そのへんは戦略的なところもあって、若いうちから新聞を読んでもらって、そこから市政なんかにも興味をもってもらえたら。そういう入口的なところもあります。
森田 未来は子供たちが作るんで、いいことだと思います。
長田 子どもたちが市政に興味を持つきっかけになってもらったらとは思います。
――そういう意味で、食育に関する記事もたくさん載せているわけですね
長田 そうですね。健康や食に関することは市民のみなさんの関心も高いし、私たち新聞にとっても当然重要なテーマになります。たとえば宇治市の中学校給食なども、これからきちんと取材してみなさんに正しい情報を伝えていきたいと思います。
――森田さんは宇治の固有の価値を広く知らせる活動をされていますが、メディアを重要なツールと考えているんですね
森田 もともとテレビ局にいたこともあって、新聞やテレビなどのメディアを有効に利用することは意識してきたつもりです。
ただ、さきほども言いましたが、これからはますます社会の縮小化が進み、マスメディアとは違うきめ細かい地方メディアの手法が重要になってくると思うんです。一人一人の顔が見えて声が聞こえるメディア作り。アライアンスの中でも、そういう手法を模索していきたいと思っています。
【2020年度 インタビュー】
代表取締役 長田 啓助さんにお話を伺いました。
――― 今年度、どのような活動や事業をしましたか?
食育を踏まえた各種事業を紙面で紹介しました。
~例1 「久御山こども食堂」~
久御山町母子寡婦(さつき)会(中井知子会長)が一人親家庭を対象に開催する「こども食堂」では、運営スタッフが趣向を凝らした事業に取り組んでいます。
同会は、府ひとり親家庭のこどもの居場所づくり事業の一環で、こども食堂の運営を担っています。町社会福祉協議会の多目的施設で毎週水・金曜日に開催し、家庭事情で孤食の子どもたちに低価格で食事を提供し、学習支援を行っています。
新型コロナウイルス対策を徹底し、今年は新春のつどいやお茶会などを開催。食べ盛りの子どもたちのために…と、地元住民や事業所から米や野菜、缶詰など様々な食材の寄付がありました。そんな児童生徒の成長を地域ぐるみで支える活動を、弊紙は食を通した善意の広がりにスポットを当てながら報道しています。
【写真は食べ盛りの子供たちに対する食堂運営の様子】
~例2 「さんさん山城の食育」~
農福連携センター「さんさん山城」(新免修施設長、藤永実センター長)=京田辺市興戸小モ詰=は今年度、「京都大和の家」(精華町の児童養護施設)と交流会を行い、女子児童たちが、食育を踏まえた地元京田辺の特産農産物の収穫や、ヒット商品である濃茶大福・ブルーベリー大福の手作り体験をスタッフと満喫しました。
食育に関する今後の展望について、藤永センター長が「さんさんのろう者と手話でコミュニケーションを取りながら、宇治茶・えびいも・田辺茄子・万願寺唐辛子などの農作業を体験し、地元特産野菜を使うランチで交流を。さらに幅広い子どもたちを対象に交流会を開きたい。福祉事業所、そして障害当事者が主体となって体験の機会を提供したい。それがさんさんの強み。」と熱く語る様子を報道しています。
【写真は万願寺トウガラシの収穫体験の様子】
――― 今後、したい活動や事業は何ですか?
「食べたい」と思う気持ちが「健康づくり」につながると考えます。そんな気持ちを高ぶらせるような『お店』や『こだわりの食材』などを紹介していきたいです。
――― 食育アライアンスに期待することは何ですか?
学校給食の在り方に問題が多いことを取り上げていただければと思っています。気になることはいくつかあるのですが、例えば…。
▽掃除時間やカリキュラムに押され、十分な時間をとっていない給食。ゆっくり、よく噛んで食べる…という基本から大きく崩れています。また、食べ終わるとすぐ運動場に出て遊ぶ…など、「食後の運動」という悪しき習慣が続いています。
▽歯間ブラシ、糸ようじなども取り入れた食後の歯磨きの徹底を。口腔内衛生が損なわれていくと将来、どんな問題が起きるか…対人関係、仕事関係、健康障害など…を知ってもらいたいです。
▽食後の仮眠も取り入れてもらいたいところです。午後の授業で居眠りをする子が多すぎます。
給食後に歯磨き、仮眠もしたら、みんなで緑茶を淹れて、すっきり午後の授業に備える…という「うじ給食」の発想を広げてもらえたらうれしいですね。